機能性表示食品で体脂肪を減らすことができるのか

機能性表示食品の中には健康面で様々な効果を持っているものがあり、特定の疾患や状態に悩んでいる人にとっては手軽に健康になれる方法として利用されていることが多いようです。特に体脂肪を減らす効果を持っている機能性表示食品はダイエット面でも人気を集めているのですが、今回は本当に機能性表示食品で体脂肪を減らすことができるのか解説していきます。

機能性表示食品とは?

機能性表示食品とは、健康の維持増進に役立つ効果を商品パッケージに掲載することができる全ての食品のことを指します。わかりやすくいえば、血圧を下げることができる、体脂肪を減らす効果があるなどの機能性を商品のパッケージに掲載して宣伝することができるということです。

また機能性表示食品と聞くとサプリメントなどをイメージする人が多いのですが、サプリメントだけではなく加工食品や生鮮食品など、一部の食品は除かれるもののほぼ全ての食品が対象となっています。これまでは商品パッケージに効果や機能性を表示することができるのは特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品のみであり、国の基準を満たしたり審査を受けなければいけませんでした。

機能性表示食品は消費者庁に届け出ることで認可を受けることができ、特定保健用食品や栄養機能食品と同じように商品パッケージに機能性や効果を表示することができるようになったのです。ちなみに特定保健用食品や栄養機能食品と同じように、機能性表示食品はあくまでも食品であり、医薬品としての扱いではないところが特徴として挙げられています。

あくまでも含まれている食品の成分の効果だけで、健康の維持増進ができるという食品とされています。

体脂肪を減らす効果を持つ機能性表示食品に含まれる成分

体脂肪を減らす効果を持つと商品パッケージに掲載している機能性表示食品は多岐にわたり、それぞれの商品が独自の成分で体脂肪を減らすことができるとアピールしています。では実際にどのような成分が体脂肪を減らす効果があると宣伝されているのかというと、例えばブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンというものがあります。

ブラックジンジャーは黒しょうがのことで、原産国であるタイではクラチャイダムと呼ばれているようです。男性の活力アップにつながる成分として注目されているのですが、ブラックジンジャー由来の成分であるリメトキシフラボンには脂肪の消費を増やして体脂肪を減らす手助けをしてくれる効果があるようです。

ほかにもりんご由来プロシアニジンやガレート型カテキンとしての茶カテキン、アラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物、エラグ酸、ローズヒップ由来ティリロサイドなど様々な成分が宣伝されています。ただこれらの成分は全て一つの機能性表示食品に含ませることができないため、1つの機能性表示食品に含まれる体脂肪を減らす効果がある成分は1つないし2つまでが一般的です。

機能性表示食品には体脂肪を減らす効果が本当にあるのか

ここで気になるのが、体脂肪を減らす効果を宣伝している機能性表示食品を摂取することで本当に効果が得られるのかという点です。

まずここで前提として考えなければいけないのは、機能性表示食品はあくまでも食品であり、医薬品ではないので治療効果はありません。そのため機能性表示食品を摂取すれば必ず体脂肪を減らすことができるわけではなく、含まれている成分にそのような効果があるだけとなっています。

実際に機能性表示食品の商品パッケージには医薬品ではないことがきちんと明記されていますし、バランスの良い食事をとることを求める表記もされています。また機能性表示食品に含まれている成分も、それぞれの効果をサポートしたり効果を発揮しやすくする程度のものであることが多いです。

体脂肪を減らすものであれば、過剰な体脂肪を燃焼しやすくしたり体脂肪を減らしやすくする程度の効果のものがほとんどだとされています。つまり体脂肪を減らす効果を謳っている機能性表示食品は、ある程度体脂肪を減らしてくれるものの、医薬品のように確実な効果が見込めるわけではないのです。

機能性表示食品で体脂肪を減らしたい場合はどうすればいいのか

機能性表示食品単体では体脂肪を確実に減らしていくことは難しいため、効果を実感したい場合は普段の生活習慣を改善していく必要があります。体脂肪を減らしたい場合はコレステロールやカロリーの多い食事を控えたり、食事の時間をきちんと決める、暴飲暴食をしないなど食生活を中心に改善していくことが大切です。

ただ食生活をなかなか改善することができないという人もいるので、体脂肪を減らす効果のある機能性表示食品を補助の役割で取り入れることがポイントになっています。補助として機能性表示食品を取り入れれば、普段の食事で体脂肪がつきすぎてしまうことを予防できます。

このような食生活の改善に加えて適度な運動をしたり睡眠の質を改善していけば、徐々に体脂肪を減らすことができると考えられているのです。特にBMIが高い数値を示している人の場合、機能性表示食品の力を借りることでスムーズに体脂肪を落とせる可能性があるため、生活習慣の改善にプラスして機能性表示食品の導入が推奨されています。

機能性表示食品単体ではなく、バランスの良い食事にプラスするという意識が重要なのです。

体脂肪を減らす機能性表示食品の注意点

体脂肪を減らす効果を持っている機能性表示食品は数多く販売されていますが、その多くはサプリメントとして販売されています。サプリメント以外のものは飲料として販売されているものが多いので、利用する場合は普段の食事の前後に摂取するという形になります。

ただ注意しなければいけないのは、一度に大量に摂取すればいいというわけではない点です。基本的に1日に必要な摂取量は商品パッケージに掲載されているのですが、早く体脂肪を減らしたい・一度に大量の脂肪を消費したいと思って過剰摂取するケースは珍しくありません。

医薬品ではないので過剰摂取しても健康被害は出にくいものの、成分によっては何らかのトラブルが発生する可能性があります。そのため、摂取する場合は1日の摂取量の目安やタイミングを守って、過剰に摂取しないようにすることが大切です。参照元…薬事法ドットコム:機能性表示食品申請

機能性表示食品の体脂肪を減らす効果はあくまでもサポート

このように機能性表示食品はあくまでも食品としての扱いなので、体脂肪を減らす効果はあるものの効果には個人差がありますし、普段の生活を改善する際のサポートとして利用されることを前提としています。

そのため、効果を過信して機能性表示食品だけを摂取してもあまり効果は発揮されないため、摂取量の目安を守りつつ正しく利用することが必要です。