lg21は機能性表示食品?

lg21を販売している明治は日本のヨーグルト市場の1/3を占めるトップブランドです。Lg21は2000年から売られているロングセラー商品になります。販売累計が70億個を超え、毎日100万個以上売れるヒット商品です。その市場における人気の秘密はどこにあるのでしょうか。ここでは、健康関連食品としてのヨーグルトの効果を含めて解説します

Lg21はトクホの取得を狙っていました

明治が現在販売しているヨーグルトの中で機能性表示食品はPA-3と素肌のミカタの2品目です。PA-3は食後の尿酸値の上昇を抑制する機能があります。素肌のミカタの機能は紫外線刺激から肌を保護する助けをすることです。

lg21は、リスクと戦う乳酸菌のキャッチコピーを表示しています。実はlg21が販売を開始した2000年には機能性表示食品の制度はありませんでした。

国が健康関係の表示を認めているのが保険機能食品です。当時の保健機能食品は特定保健用食品と栄養機能食品の2種類でした。国が有効性や安全性を個別に審査した上で許可したものが特定保健用食品です。この特定保健用食品は通称トクホと呼ばれています。

国が定める特定の栄養成分の規格基準に適合した成分を含んだものを栄養機能食品としていました。

2000年の販売開始にあたってlg21はトクホ表示許可の取得を申請しています。胃の健康のためにというのが狙った表示です。しかし、胃などの臓器名に対する効果を示すトクホは時期尚早との判断から許可が下りませんでした。

一方で、おなかの調子を整えるという保健効果が認められたトクホのヨーグルトには雪印のナチュレ恵、森永のビフィダスヨーグルト、明治のブルガリアヨーグルトがあります。臓器名を前面に出したためにlg21は認められなかったのです。

プロバイオティクスの定義は、身体に良いとされている乳酸菌やビフィズス菌などを食品から摂取することです。明治にはこのプロバイオティクスという分類で販売しているプロビオヨーグルトシリーズがあります。lg21はこのプロビオヨーグルトシリーズの一つです。

機能性表示食品とは

2015年に機能性表示食品という新しい制度が保健機能食品に追加されました。トクホは国が審査・許可するので開発から販売までにどうしても時間がかかってしまいます。そこで設けられたのが機能性表示食品です。国が審査・許可するトクホに対して、機能性表示食品は事業者の責任で安全性と機能性を届け出ます。

届け出することで科学的根拠に基づく機能性を表示できる制度なのです。機能性表示食品の信頼が高いのは届け出た安全性や機能性の科学的根拠が消費者庁のホームページに公開されているからです。公開されている情報に基づいて消費者は自由に商品を選択することが出来ます。

lg21は東海大学との長年の共同研究の成果です。機能性表示食品として届け出していないことから消費者庁のホームページにlg21の情報はありません。しかしlg21について公開されている情報は長年の研究もあって多数です。

機能性表示食品と同等の科学的根拠があると言えます。

プロビオヨーグルトの効果

明治の販売しているプロビオヨーグルトはR1、lg21、PA-3の3種類です。

この中で2015年に発売開始されたPA-3だけが機能性表示食品として登録されています。Lg21は2000年、R1は2009年の発売開始です。

いずれも2015年に機能性表示食品制度が制定される前になります。しかし、R1とlg21の効果は明らかです。R1にはマウスと人による実験でインフルエンザなどの感染症に対する免疫機能の増強を確認したことが公式サイトに記されています。

同様の公式サイトに記されているlg21の効果はピロリ菌の活動抑制です。機能性表示食品のPA-3は尿酸値の上昇を抑制する効果を人による試験で確認しています。2000年にlg21がトクホを取得できなかったことから明治がとった戦略はプロバイオティクスを市場に浸透させることでした。

今やプロバイオティクスの効果はすっかり市場に浸透しています。明治がヨーグルト市場に占める割合は1/3ですが、その半分がプロビオヨーグルトです。中でもlg21の累計販売数は70億個を超えています。

ピロリ菌

世界の半数の人がピロリ菌に感染していると言われています。この病原菌を原因とする主要な病気は胃潰瘍、十二指腸潰瘍および胃がんです。日本におけるピロリ菌の感染者は人口の約40%と推定されています。その中から今後1年間に胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍を発症すると予想されるのは約5%です。

さらにその内0.5%が胃がんを発症するとの予想もあります。この原因となるピロリ菌の除菌方法は抗生物質によるものです。しかし、最近は抗生物質の効かない耐性ピロリ菌が増加して効果の減少が目立っています。ピロリ菌に感染していても多くの人が発症に至っていないことから早急な対処は求められていません。

しかし、保菌者にリスクがあることから何らかの対処が必要です。

lg21の効果

ピロリ菌除去のためだけに抗生物質を使用することは耐性を持つピロリ菌を作ってしまう可能性が高まることから高いリスクがあります。必要なのは医薬品に頼ることのない方法です。そこで研究者たちが到達したのがプロバイオティクスでした。

動物実験の結果、名称lg21の乳酸菌投与によって胃の内部のピロリ菌が減少することが判明したのです。lg21は継続して摂取する必要があります。そのために最適と考えられた食品がヨーグルトです。その理由はlg21がヨーグルトの中で活性しやすいこと、ヨーグルトと一緒にあることによってlg21が胃の中での残存性が高いこと、ヨーグルトなら継続して摂取しやすいことなどでした。

その後実施したのが人の胃による臨床実験です。これによってピロリ菌が抑制されることと胃の炎症が抑制されることが確認されました。これを製品化したのがプロビオヨーグルトのlg21です。これらのことは販売開始時期には既に分かっていてトクホの取得をこころみましたが許可されませんでした。

方針変更して現在に至っています。しかし多くの消費者が指示しているのはlg21の効果です。国に届け出ることによって得ることのできる表示ではなく長年の使用による信頼が今のシェアを支えています。


llg21の高い信頼性

lg21は消費者庁の機能性表示食品のリストでは検索できません。当初、トクホとして胃に効果があると申請しましたが認可されませんでした。特定の臓器に効果があるという表現の問題です。しかし、それでもlg21が累計約70億個以上を売上げているのは消費者の絶対的信頼に裏付けられています。

その信頼は開発者達が真摯に効果を発信し続けたことによって得られたものです。